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ショク(食&職)を極める!

毎月1回、今を生きる食のプロフェッショナルにスポットをあてインタビュー。
女性フーズプロデューサーの視点から、様々な魅力を引き出します。


「流石!」と言われることをどんどん形にする

【 2007/01/18 】 
黒崎輝男
(株)流石創造集団 代表取締役社長

<プロフィール>
黒崎輝男 (くろさき・てるお)
1949年東京生まれ。早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。黒崎貿易株式会社を設立後、(株)IDEEを創立。「生活の探求」をテーマに生活文化を広くビジネスとして展開。2005年流石創造集団株式会社を設立。「世田谷ものづくり学校(IID)」スクーリングパッドをプロデュースし、自らデザインコミュニケーション学部長に就任。2006年「ビンタ本」(幻冬舎)を出版。
クロテルブログ:http://www.kuroteru.com/



自分を考えなおすことが本当の「何故」と「好き」に繋がる

― 「ビンタ本」読みました。面白かったです。スクーリングパッドで登場するいろいろな方のデザイン感、飲食店のあり方、コミュニケーションや哲学がダイレクトにメッセージとして届きますね。
黒崎社長 いいでしょう。結構売れているの。あれが売れているっていうのは、皆、ビンタされたいんだよね。誰かにバシッと言ってもらいたい。あんなことフツウの学校じゃ教えてくれないでしょう。
― 世田谷小学校がものづくり学校としてリノベーションされた時も画期的だなぁ、と思いましたが、そこでレストランや映画のことが学べる学校としてスクーリングパッドが立ち上がったときも、黒崎さん流石だなぁと思いました。
黒崎社長 そう!僕は「流石だなぁ」と思われることを沢山形にしたい。だからイデーの後に作った会社の名前は「流石創造集団」。いいでしょう。流石っていうのはさ、「流れる石」って書くでしょう。川の流れの中で、小さな砂利たちが流れている。そしてその砂利の流れが大きな石を動かすわけ。つまり小さな素晴らしいアイディアや力が大きなムーブメントをおこす。これが「流石」なの。
― なるほど!何だか勇気がわいてきました。スクーリングパッドは、いくつ学部があるんですか?
黒崎社長 学部は、デザインコミュニケーション、レストラン・ビジネス、映画ビジネスの3部門。下は10代から50代まで。中には高校生もいるよ。昨年からはじめた学校ですが、今で3期目。
― そもそも何故学校を運営しようと思われたのですか?
黒崎社長 もちろん、廃校になった池尻小学校の再生プロジェクトの一環。仕事でいろいろな企業の人と接している中で、仕事や企画のすすめ方で何かが間違っていると思い、つきつめるとそれは日本の戦後のあり方だったり、教育システムだったりということにぶつかったんです。バブルが崩壊して、様々な喪失感を味わい、裕福だった時代に、何も「日本らしい」アイデンティティーを残せなかったんだよね。海外のブランドに浮き足立って、お隣の国の真似をして、中身がないのに、格好いいものばっかりに囚われてしまっていた。そのつけは絶対きているでしょう。企業も国も、時代が変わっても相変わらず横並びの軍隊システムと一緒だから、全然ちゃんと外交なんてできない。これは何故って、教育ですよ。
― それは、今の飲食業界にも言えますね。「何が流行るか?」に固執して本質がわからなくなってしまっている。
黒崎社長 学校をやってみて初めて解ったのは、往往にして生徒は、「先生がしちゃいけません」ということを基準に良し悪しを判断するの。何をやったら正解なのか?どうすれば文句を言われずにすむか?と考える。じゃ、何故しちゃいけないのか?
その応えは、先生でさえ「君がやったら僕は学校やめなきゃならない」という発想。そんなことを考える前に、数学の方程式に答えて、時間内にどれだけ多くの問題が解けるか?が最優先な訳。「何故?」なんて考えていたら、時間が足りない。そういうことが、「物を考えない人間」を形成しちゃってるんですよ。極論に聞こえるかもしれないけど、だから多くのデベロッパーやレストランオーナーさんの様に、「何が流行る?」「何がお金になる?」という答えが早くほしい。サービス業なんかでも同じで、マニュアル通りにこなせばいいという現場があって、何も疑わずマニュアルどおりに仕事をしているスタッフがいる。実務性と作業性はいいけど、その基となる考え方が希薄すぎるの。

スクーリングパッドのデザインコミュニケーション学部の受講風景。ゲストスピーカーは、デザイナーのサイラス・ヒッキー氏。現在第4期生の募集中。
http://www.schooling-pad.jp/
― では、スクーリングパッドでは、その「何故」が学べるのですか?
黒崎社長 というより、自分で考える力、教わったことを「仕事」として実行する力を学ぶんです。第一線で活躍している様々な人をゲストに迎えて、プレゼンテーションやディスカッションを徹底的にし、思考力、企画力を養い、視野を広げる。夢や好きなことを実現させ仕事に繋げる最短の方法。それがスクーリングパッドです。「何故?」と思う根本は、「興味」でしょう。「面白い」と思わないと続かない。「面白い」って「面が白い」と書くでしょう。これは英語で言うと、インタレスティングやファニーとは違って、正しくはエンチャンティ(エンライトメント)。つまり目の前がぱっと明るくなった感覚ね。難しいことが解けた瞬間、目の前が明るくなったような感覚ってあるよね。いろんなことがどんどん解っていくことが「面白い」んです。知性とはそういうことだと思う。それをスクーリングパッドでは体験できるから、どんどん考えて、どんどん実践したくなる。
― スクーリングパッド以外にもいろいろなデザインコミュニケーションや再生ビジネスなどをされていますが、今年はどんな面白いプロジェクトが進んでいるのですか?
黒崎社長 最近行なっているのは、ウィスキー再生。といっても売上げを増やすということではなくて、もう一度「飲み方」を考えるということ。ビールより焼酎や発泡酒が安いからって酔うことしか考えてないっていうのは、「文化」じゃないでしょう。好きな音楽とどんな酒を飲むか?シェリーを飲んでから食事でワインを飲んで、場所を移動してゆったりとくつろぎながらウィスキーを飲むとか。自分なりの粋な飲み方を知っていたら、酒の楽しみ方も変わってくる。「Re think!(リシンク=考えなおそう!)」ということ。流行っているから飲むということではなくて、文化を考えるということ。流行りは廃れれば、ダサくなる。
― そういうことを根本的に考えることって、実は自分再生にもつながりますよね。
黒崎社長 表面だけを追っている奴には考えは及ばないだろうね。ウィスキーが流行っているから、葉巻が流行っているから、じゃレストランやホテルのバーのメニューに入れようということじゃダメな訳。良いとこどりがダサいっていうこと解らない人多いでしょ。「一体何が好きなの?」ということをちゃんと考えてほしい。繁盛店の条件は「立地と値段」なんて業界の中で平気で言っている間はダメ。立ち飲み屋が流行ったら、立ち飲み屋
だらけになって、何でも立って飲んで、食べればいいの?ということになる。文化が育たない。
― 何だか黒埼社長と久しぶりにお話をして、すっきりしました。スクーリングパッドに行ったら、自分を「リシンク」できて、いろんな面白い仕事が生まれそうですね。
黒崎社長 そう。人と話すって、だんだん気が合いだして、いろんな考えや言葉が交差して、面白いアイディアが沢山生まれてくる。そんな体験が一杯詰まっている学校だから、まずはスクーリングパッドに遊びに来てよ。
― はい。是非!楽しいお話ありがとうございました。


インタビュアー
村上由(むらかみ・ゆう)
Office K2M 代表
イタリアでのレストラン経営がきっかけで、飲食業界の仕事へシフト。帰国後、イタリア語通訳、飲食店経営企業のPR業務を経て、雑誌企画編集の仕事に。2004年独立。PRコンサルタント、フードライター、パーティーや企業のフードイベントの企画など形にとらわれず、あらゆる角度から「食」の新しいスタイルをプロデュース。
http://www.officek2m.com/
http://ameblo.jp/officek2m/



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