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ショク(食&職)を極める!

毎月1回、今を生きる食のプロフェッショナルにスポットをあてインタビュー。
女性フーズプロデューサーの視点から、様々な魅力を引き出します。


レストランPRのグローバルスタンダードを目指す

【 2006/11/02 】 
Steven Hall (スティーブン・ホール)
レストランPR

<プロフィール>
Steven Hall (スティーブン・ホール)
カジュアルレストランからファインレストラン、ジャズクラブまで様々な現場での仕事を経て、PRの仕事に。1996年、米国NYでレストランPR会社「ザ・ホール・カンパニー」を設立。次々にユニークな話題づくりをし、今まで手がけてきた数々のNYのレストラン、セレブリティー・シェフを話題に仕掛ける。
http://www.hallpr.com/



大切なのは、コミュニケーションと誠実さ

― 今回は、米国ニューヨークのレストラPRを専門に仕事をしている、ザ・ホールカンパニーのスティーブン・ホール氏を紹介します。もともと私とスティーブン氏とは、今年の9月、NYのタイムズ・スクエアに(株)メトロメットがオープンしたレストラン「セブンスクエア」のオープンプロジェクトを通して知り合い、NY側のPRをスティーブン氏、東京側のPRを我々(オフィスK2M)としてコラボレーションをしたのが契機でした。仕事を通していろいろと勉強になりましたが、改めてスティーブン氏にレストランPRの考え方について伺います。
そもそもスティーブンさんは、何故レストランPRの仕事を選んだのですか?

9月21日にNYのタイムズスクエアにオープンしたレストラン
「7SQUARE」
http://www.7squareny.com/
スティーブン氏 この仕事を始める前は、レストランの現場で10年仕事をし、ジェネラル・マネージャーとして仕事をしていました。その後、仕事をどうしようか?と考えながら、PR会社を経営している友人のところでアルバイトをし、仕事をしているうちにPRの仕事もレストランのGMの仕事も「商品を知ってもらたい」と「レストランをよくしたい」という考えは同じだな、と思ったんです。僕がPRの仕事を選んだというよりは、飲食業界が僕をPRパーソンとして選んだという感じ。僕にとってはとても自然ななりゆきです。
― 日本では、まだまだレストランPRという仕事は確立されていませんが、飲食店にとってのPRビジネスの重要性についてどう思いますか?
スティーブン氏 レストランにとってPRは、想像以上に重要です。大きな見方をすると、飲食業界のステータスを食業界という大きなカテゴリーの中で、確立していくと同時に、一軒のレストランの方向性を明確にして、将来的な成功に近づける大きな役割を担っています。
― PRというと、一般的には、ジャーナリストとの関係を構築し、如何に店の魅力を掲載してもらうか?ということも大きな要素だと思いますが、スティーブンさんは、ジャーナリストへの関係はどの様に築いているのですか?
スティーブン氏 まずは、クライアント(レストラン)の魅力を良く把握して、誠実に対応すること。曖昧な言葉やありきたりの言葉で店を表現するのではなく、的確な表現で店の魅力を伝える様に努力します。ライター達がその店の記事を書くときに、無駄な時間を費やさないようにするためにも、的確な表現で店の魅力を表現するようにします。そして、雑誌の性質によって打ち出し方、表現方法も変えて対応するということも心がけています。
― なるほど、そうですよね。当然のことの様ですが、媒体によって相手の立場に立って企画を考えるということも大切ですよね。スティーブンさんが今までこの仕事の魅力を感じた出来事を教えてください。
スティーブン氏 今までの仕事では、多くの若手シェフの話題作りをして有名にさせるという責任のある仕事をしたこともありました。手がけたレストランの中には大型店舗もあれば小さなレストランもありました。そんな中でシェフやレストランが大きく評価されることが一番嬉しいです。たとえば、ケイト・スパークは、1998年に「フード&ワインマガジン」でアメリカのトップシェフの10人に選ばれましたし、レストラン「アニサ」のアニタ・ローは、2000年に同じ名誉を獲得。ミシュランのひとつ星を獲得したシェフは、「5ナインス」のザック・ペラッチョ、「マス」のガレン・ザマラ、「Aix」のディダー・ヴィロなどがいます。
― そんな、様々なエピソードを作ってきたスティーブンさんが考える、レストランが成功する一番重要な要素は何ですか?料理?スタッフ?ホスピタリティー?
スティーブン氏 一番重要なのは、ホスピタリティーを如何に創造していくかです。お客様一人一人に丁寧に対応し、お客様が貴重な時間とお金を費やしているということを理解することです。料理ももちろん重要な要素ですが、まずはお客様が歓迎され、よい気持ちで過ごすことができ、その店で体験した良い思い出をずっと持ってもらえるように努力すべきです。
― 東京とNYでは、国が違いますが、同じレストランPRの仕事をしている立場として、私はレストランPRを、とても特殊だと感じでいます。ひとつの完成した商品をPRすることと違っている点は、お店は常に稼動し生きているということ。毎日の集客につながらなくては意味がないので、レストランのPRは、マスコミ関係者との関係だけではなく、時に近隣企業との関係、イベント、パーティーの企画、季節メニューの打ち出しなど、仕事も多岐に渡ると思うのですが、スティーブンさんはどうですか?
スティーブン氏 同感です。私も同じ様に様々なことをやっています。マーケティング、プロモーション、カスタマーリレーション…。常に話題を作りプレスの気を引く。常にレストランを新鮮な状態にし、プレス関係者にも顧客にも常に注目していなくてはいけない店舗という意識を持ってもらうことです。
― 今後のビジネスの展望は?
スティーブン氏 将来的には、もっと様々なコンセプトや話題を創りだし、一軒のレストランと長い信頼関係を構築し続けること。そして今、オフィスK2Mと提携関係にある様に、日本とビジネスをシェアしてグローバルスタンダードとして成長していくというプロジェクトもとてもエキサイティングです。今まで国内だけ、NYだけで留まっていた話題がより国際的になり、僕らがやっていることの意味や価値が国際的に評価され、話題になることですね。
― それは、私にとっても今一番エキサイティングなことです。今回「セブンスクエア」を通してスティーブさんに会い初めて仕事を共にし、私が日本で細々とやってきたことが間違っていなかったと確信しました。スティーブンさんの考え方、仕事の進め方などは、とても勉強になりました。レストランPRとして、私がクライアントに提唱していることは、レストランPRとして必要なのは、オープン時だけでなく、長期に渡ってPRをしないと意味がないということですが、スティーブンさんは、PRの期間については、どう思いますか?
スティーブン氏 PRは永遠に必要。レストランがあり続ける以上、PRをし続けないと意味がない。短期間で反響が出せる訳がないし、季節ごとのメニューも違えば、レストランは毎日生きているのですから、その変化や考え方を常に伝え続けなくては意味がないでしょう。
― 次は、NYに次いで東京の舞台で初めての我々とのコラボレーション・プロジェクトがスタートですね。未だお店のディテールは言えませんが、この仕事を成功させてもっと一緒に国際的に仕事ができることを楽しみにしています。いろいろ教えてくださいね。
スティーブン氏 今度会うのは11月の日本ですね。僕もとても楽しみにしています。


インタビュアー
村上由(むらかみ・ゆう)
Office K2M 代表
イタリアでのレストラン経営がきっかけで、飲食業界の仕事へシフト。帰国後、イタリア語通訳、飲食店経営企業のPR業務を経て、雑誌企画編集の仕事に。2004年独立。PRコンサルタント、フードライター、パーティーや企業のフードイベントの企画など形にとらわれず、あらゆる角度から「食」の新しいスタイルをプロデュース。
http://www.officek2m.com/
http://ameblo.jp/officek2m/



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