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ショク(食&職)を極める!

毎月1回、今を生きる食のプロフェッショナルにスポットをあてインタビュー。
女性フーズプロデューサーの視点から、様々な魅力を引き出します。


美味しい酒と料理を作る人の縁を大切にしたい メニューコーディネーター 松井春澄さん

【 2006/07/06 】 
メニューコーディネーター
松井春澄 さん

<プロフィール>
松井春澄(まつい・はるみ)
静岡県出身。
1990年、飲食店の総合コンサル企業株式会社ミュー・プランニング&オペレーターズに入社。
様々な飲食店の業態開発、メニューコーディネートの仕事に従事。
2006年5月に独立、(株)食楽を設立。現在は、居酒屋、レストランなど異なる飲食店業態からスーパーマーケットのコンセプト提案など幅広く活躍中。



コミュニケーション能力とバランス感覚が重要

― 昨年まで、飲食の企業で数々の業態を手がけ、満を持して今年独立された訳ですが、肩書きの「メニューコーディネーター」とはどんなお仕事なのでしょう?
松井 メニューコーディネーターとは、様々な飲食の店舗に合わせて、メニューを開発、コーディネートする仕事です。メニューのレシピや盛り付け、皿のコーディネートなどを、業態、価格、立地、原価率、流行性を考慮して具体的に提案するのです。

株式会社ミュープランニング&オペレーターズでコーディネートした店舗
― お仕事ぶりを拝見して、いつも関心するのは、いろいろなシェフとのコミュニケーションがとても上手なところです。
松井 店のシェフとの調整は一番難しいし、気を使います。店の厨房を任されているというシェフとしてのプライドも経験もあるわけですよ。そこに知らないコーディネーターと称する人間がいきなり入ってきて提案をはじめるのですから。
― 料理人の魅力を最大限に引き出しながら、コミュニケーションを円滑にする秘訣ってあるんですか?
松井 まずはシェフとの共通の価値観を見出そうとします。「あそこのお店のこの料理が好き」とか、「あの料理がどう」とか。イメージを共有し、シェフのモチベーションを上げる心理的なコントロールをします。そして、私の役割を明確に伝えること。あくまで私はメニューを考案していく上での「調整役」と考えてくださいと、説明します。そうするとシェフもホッとして円滑に進むんですよね。
― なるほど。お互いの役目が明確に決まれば、スムーズに進むんですね。
松井 うまく関係が築ければ、私に今のメニューの流行を聞いてくれたり、メニューの考えを相談してくれたりします。そうなると嬉しいですよ。要は私をブレーンと思って利用してくれればいいんです。
― 最近は、メニューコーディネーターもフードコーディネーターやフードスタイリストと並んで人気の職種です。でも、途中で挫折してしまったり、専門学校で勉強をしても仕事に繋がらなかったり、仕事の間口が狭いのでしょうか?
松井 そんなことはないと思います。人は皆食事をしないと生きていけない訳ですから、そういう意味でもフード関連のコーディネーター、プロデューサーはこれからもどんどんニーズが高まると思います。ただ「夢」や「趣味嗜好」だけでは続けられないというのも事実です。
― それだけ過酷な仕事という意味ですか?
松井 プランナーとして具体的に店の絵が自分の中で描けていないとできない仕事です。
誰だって原価をかけていい素材を使ったりいい食器が使えれば素敵な料理は表現できます。例えば同じメニューでも金額設定が異なれば形も変えていかなければならないのです。もっと解りやすく言うと、チェーン系の居酒屋と和食屋の「肉じゃが」ではポーション、盛り付け、皿まで変わってきます。自分自身のバランス感覚を持っていないと独り善がりに終わってしまいますからね。
― 数々のお店を手がけてきた中で、メニュー以外のお仕事もされてきていますよね。
松井 多いですね。私の場合は、メニューコーディネートが軸になった、飲食店コンサル業ですね。15年間飲食企業にいて、はじめの5年はあらゆることを経験しました。メニュー、皿、ユニフォームは常に携わっていましたが、他に企画書作成、グラフィックの調整、現場の責任者とのオペレーション調整など。
― 今、独立されても、メニュー以外の仕事の調整もされていますか?
松井 相談にはのります。各分野で私より優れている人がいるので、いろんな人を繋いだり。でも、基本的には全体を把握しているからこそ応用がきくと思っています。常にクライアントの立場になり、且つ時代の流れを客観的に見て想像力を膨らませるということは大切です。
― 独立されて、ますますお忙しそうですが、ちゃんと睡眠とかはとれていますか?
松井 クライアントとの打ち合わせは、多いときで5件。長いときには、一件の打ち合わせに4時間以上かかるときもあります。一日中試食を繰り返して、食べ通しという日もあります。でも、5時間くらいは寝てますよ。そんなに忙しい日ばかりではないので、だいたい7時か8時には、仕事を終え、その後接待や会食がないときは、課外授業(笑)。誰かと飲んでいるか、食事してるか。そこで触発されたり、輪が広がることも多いですしね。
― 忙しい中でのストレス解消法は?
松井 お酒、ホームパーティー、キャンプ、旅行。最近はなかなか旅行に行けませんが、旅行は本当にいい気分転換になるし、異国はもちろん国内の地方の空気と文化、食材との出会いで、新しいアイディアが生まれたりします。家で仲間とパーティーをしたり、キャンプに行ったりするのも大好き。好きな人達が集って、何か料理するのは、気分転換になりますね。
― ご自身ではどんな料理を作るんですか?
松井 何でもあるもので作りますよ。殆どはお酒に合うもの。友人がくれた旅先のお土産食材なんかも、アイディアが広がって、いろんな料理を作ってみたくなります。失敗することもあるけれど、そんな時も仲間がいてくれると笑って過ごせるから。
―いつも好きな仲間の笑顔に囲まれて、美味しいお酒を飲むのが好きな松井さんが、描いている将来の夢は?やはりお酒と仲間と一緒?
松井 そうですね。欠かせません。葉山あたりに海の見える戸建ての家を買って、そこで皆でワインを飲んだりして楽しく過すことかな。食を通じてのコミニュケーションの場を持ちたいですね。時々仕事、時間がある時は、キャンプ、旅行。どこに行っても何か料理してると思います。思えば、今はそんな仲間が集う場から触発され、仲間に支えられている気がします。


インタビュアー
村上由(むらかみ・ゆう)
Office K2M 代表
イタリアでのレストラン経営がきっかけで、飲食業界の仕事へシフト。帰国後、イタリア語通訳、飲食店経営企業のPR業務を経て、雑誌企画編集の仕事に。2004年独立。PRコンサルタント、フードライター、パーティーや企業のフードイベントの企画など形にとらわれず、あらゆる角度から「食」の新しいスタイルをプロデュース。
http://www.officek2m.com/
http://ameblo.jp/officek2m/



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