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ショク(食&職)を極める!

毎月1回、今を生きる食のプロフェッショナルにスポットをあてインタビュー。
女性フーズプロデューサーの視点から、様々な魅力を引き出します。


コックがニーズに応える会社として

【 2008/07/24 】 
青島邦彰
株式会社クーニーズ・アソシエ
代表取締役社長

<プロフィール>
青島 邦彰(あおしま・くにあき)
1970年 4月生まれ 神奈川県川崎市出身。1990年(株)ファイバリットへ就職。はじめて料理人としての仕事につく。1994年 (株)プランドゥーシー「代官山プレイス」へ出向シェフとして参加。1997年 株式会社サンライズ・ジャパンレストラン事業部 トータルプロデューサーとして、 newsDELI表参道店を大ヒットさせる。2003年9月2日株式会社クーニーズ・アソシエ設立。http://cooneeds.com/top.php
現在、株式会社タスメイトの代表取締役も務める。http://chamate.jp/



優秀な料理人をプロデュースし、飲食業界を活性化していく

コラーゲンしゃぶしゃぶ 美晴れ
― 青島さんというと、飲食業界の若手リーダー、「フードベンチャー」の代表格というイメージが強いです。独立後のご活躍も目覚しく、最近では株式会社タスメイト事業の「一茶一坐」が注目されましたね。
青島氏 「一茶一坐」は今年の9月で2年を迎えます。今は1店舗ですが、店舗展開していくことを視野に入れています。当然、不動産、資金、オペレーション、ブランディングを考えながら店舗展開していかなくてはいけないので、慎重に動いています。
― なぜ上海のブランド、「一茶一坐」を手がけられたのですか?
青島氏 「一茶一坐」ブランドを持つ上海の親会社は、ニューヨークのナスダック1部上場準備中で、その海外戦略の中に日本とアメリカが入っており、日本への進出を考えていました。その親会社の大株主の方から依頼され、北京に店をプロデュースをしたことがありました。その時からの信頼関係で、「日本で展開するなら、青島さんと進めたい」という意向があり、僕が手がけることになりました。
― 「一茶一坐」なら日本でいけるな!と?
青島氏 そうですね。上海に1号店を出店して、5年間で80店舗くらいになっていました。それに加え、私がプロデュースの仕事をしている中で、ディベロッパーから、コーヒー中心ではない、カフェを作って欲しいという要望がありました。そのニーズに「中国茶」がいいに違いないと直感が働きました。
―「一茶一坐」は、お茶のメニューはもちろんですが、フードメニュー、それから茶器や食器など、若者好きする可愛い商品が多いので、ライフスタイル全般として、色々提案できそうなブランドですね。
青島氏 もちろん視野に入れています。今、渋谷にある「一茶一坐」はフルパッケージ。最終的に、レストランタイプ、カフェタイプ、物販タイプと3タイプできればいいな、と。さらに欲を言えば中食もやりたい。最終的に「一茶一坐」ブランドでペットボトルのお茶やデザートなどを作り、コンビニに卸していけるようになれば、完全に網羅できると考えています。
― 青島さんは、そもそもなぜこの業界に入ったのですか?
コラーゲンしゃぶしゃぶ 美晴れ
青島氏 あまり話したことがないのですが、僕は元々、建築をやっていたんです。いわゆる「とび職」です。こてこての現場主義で6年ほどやっていました。とび職をやりながら、夜はバーテンダーをやっていたんですよ。トム・クルーズ主演の映画「カクテル」を見て、かっこいいなと憧れましてね(笑)とび職って朝の7時に出勤して17時には家に帰れる、時間的にはきっちりしている仕事なんです。残業もないので19時にバーに出勤し、2時まで仕事をしていました。タフだったんですかね。そんな生活をしていて、20歳の時、あるシェフが独立するタイミングで「バーで働かないか」と誘われたんです。面白そうだと入社したら、バーテンダーじゃなくて、なぜか調理補佐(笑)本当にびっくりですよ。
― 最近では、免許がないから調理はできないとか、この仕事は僕の仕事じゃない・・・とか言って、文句を言う方が多いみたいですが、青島さんはそういう状況に拒絶はしなかったんですか?
青島氏 しなかったですね。理不尽なこともいっぱい言われましたが、我慢しながら2年経つと、「何でこんな盛り付けにするのかな」とか、「もう少しこんな風にした方がいいんじゃないのか」と自分なりの考えを持つようになりました。
そこで黙っていればいいんですが、思うとつい言っちゃうんですよ。はじめは、ものすごい怒られましたけど、それでも、懲りずに何度も言ってるうちに、そのシェフが「じゃあお前やってみろよ」って言っていろいろ任されるようになりました。今の人は、怒られる免疫がないですよね。僕は、怒られてもまた懲りずに言っちゃいますからね。
―自分を貫いてきたってことですね。
青島氏 いつも「何でこの人たちこんなに理不尽なんだろう、おかしい」ってずっと思っていました。そのうち、「自分はなぜ厨房にいるのか」と思うようになりました。料理が嫌いなわけじゃなかったし、探求することも好きだった。何が嫌かと言えば、コックさんが大嫌いだったんですよ。
―それは同業者がってことですか?
青島氏 そう。嫌いでしょうがなかった。
―何故?
青島氏 すべてが理不尽なところです(笑)当時は、口の利き方や態度も乱暴だったり・・・。裏方意識しかないコックさんが多くて。僕はいつも料理を作りながら、「本当にこのメニューでお客さんは喜んでいるのか、お客さんが望んでることなのか」って思っていたんですよね。そんなことを考えてるうちに独学でプロデュースの勉強をするようになった。色々な人に企画書を見せてもらい、企画書の作り方やどうやって店ができるのかを独学で勉強しました。
―努力家なんですね。
青島氏 いや、そういうのはないです。集中力はあるほうだと思います。勉強していくうちに、僕なりにわかったことは、優秀なコックは、絶対的にマネージメントできる人なんです。マネージメントができてマーケティングがよく分かっていることは絶対条件、原価計算ができないコックは問題外です。独立したときにわかります。
独立しても、お客さんが付いてくるコックは、実はマネージメントとマーケティングがきちんとできている。持論ですが、料理だけしか出来ない、いつも裏方にいてオーナーシェフという大きい顔をしているだけの人は、絶対だめですよ。
―だからこそ、そういう職人肌気質のコックさんには、青島さんみたいなプロデューサーが必要なのかもしれませんね。
コラーゲンしゃぶしゃぶ 美晴れ
青島氏 僕の会社「クーニーズ・アソシエ」は、コックがニーズに応えるっていう意味なんです。料理人がプロデューサーにならないと、料理人の才能は埋没してしまい、所詮コックさんで終わってしまう。コックさんが独立して成功するのは1割にも満たない。せっかく腕も技術も能力もセンスもあるのだから、それを100%発揮するためにはマネージメントやプロデュースも連動しなくてはいけない。
―こんなこと言ったらすごく失礼ですけど、教えて身に付くものですか?
青島氏 徹底的にやらないとダメですね。共通して言えるのはみんな数字に弱すぎる。やろうとしない。僕はやらせますけどね。本当にコックさんをプロデュースする会社って、今、日本にあまりないんです。僕の会社もコンサルタントの先生に頼まれることが多いですが、経営コンサルタントやデザイナーがプロデュースしながらアウトソーシングしてメニューを開発するという形がほとんどです。そういう意味ではうちのスタッフは全員が元コックで、コックが仕事をプロデュースするということがうち最大の個性だと思います。メニューありきで、サービスや環境やデザインを付加つけています。絶対ダメなのは、デザインから入っていくことだと思います。
― 一時、そういうデザイン重視のお店が流行りましたよね?でも、やっぱりデザインコンシャスなお店は、ちょっと疲れる。職業病もあり、先入観もあり、かっこいいお店があると、「大変そうだな」って思っちゃいます。
青島氏 そう、オペレーションの導線がわるかったり、メンテナンスが難しかったり。なおかつ、デザインにお金をかけちゃって、投資回収率がすごく悪くて。雑誌でもてはやされて、一見かっこいいけど現実的に投資額を回収できないまま終わってしまうケースが非常に多い。だから逆に言うと、いかに安くいい店を作るかというのが大事。デザイナーには、そこが腕の見せ所じゃないかと言っています。お金かけて良い素材を使えば、良いものができるのは当たり前。飲食店のデザインを手がけるなら、低コストでどれだけ良いものが生み出せるかが重要ですね。
―そんな青島さんが、今後手がけたい店は?
青島氏 素朴で美味しいおばんざいを食べさせてくれるような居酒屋を直営でやりたい。自分が毎日でも行きたいと思える店です。プロデュース業って、いろいろな企業やオーナーさんのニーズを形にするわけですが、そのスタイルは、日常的なライフスタイルと相反する場合が多い。ライフスタイルに特化した店作りをすると、毎日でも行きたいと思うはずなのです。毎日行っても飽きない。こんな時代だし、皆お金がないから安くて美味しいものを食べられる店を作りたいですね。
―いいですね。庶民に優しいお店。私もめっきり、最近は仕事以外で行く店は、庶民的で毎日通える店についつい行ってしまう。
青島氏 結局そういうところに帰ってくるのだと思うのです。長続きする優秀なコックさんをどんどん輩出し、良いお店が増えればよいなと思っています。
― そうですね。次なるプロジェクト、楽しみにしています。きっと美味しいおばんさいのお店、密かにご案内お待ちしています。



インタビュアー
村上由(むらかみ・ゆう)
Office K2M 代表
イタリアでのレストラン経営がきっかけで、飲食業界の仕事へシフト。帰国後、イタリア語通訳、飲食店経営企業のPR業務を経て、雑誌企画編集の仕事に。2004年独立。PRコンサルタント、フードライター、パーティーや企業のフードイベントの企画など形にとらわれず、あらゆる角度から「食」の新しいスタイルをプロデュース。
http://www.officek2m.com/
http://ameblo.jp/officek2m/



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