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「Cafe Dina(カフェ ダイナ)」(東京・目黒区油面)

【 2006/04/13 】 

「先日、体がフラフラになったので店を休みにしたら、商店街の方4、5人に『定休日でもないのになんで休んだんだよ』って突っ込まれたんですよ」。東京目黒区。センスのいいインテリアショップが軒を連ねる目黒通り脇に油面商店街がある。2006年1月12日にオープンしたばかりの「カフェ ダイナ」は、このほのぼのとした商店街の新顔。新顔ではあれ商店街に新しい風を吹き込んでくれるのでは、という期待から周囲の注目度は高い。だからこそちょっと店を休んだだけで、油面の住人から突っ込みが入ってしまう。











店舗データ
店名:Cafe Dina
住所:目黒区中町1−6−1油面コーポ1F
TEL:03-5722-5528
営業時間:11時〜23時30分


■物件探しに4年の歳月

同店のオーナーは昭和49年生まれの山口健太郎さん31歳。なんとこの物件を見つけるまでに4年の歳月を要したという。「物件探しってほんと、めちゃくちゃパワーが必要じゃないですか。物件が決まりそうになってはダメになるケースを何度も繰り返しましたよ。そのたびにパワーを入れ直して、探しまくりましたね」。山口さんが物件を探し始めたのは27歳の時。見学した物件は数百件。30歳の大台を超え、ようやく納得のいく物件に出会えた。

■他のカフェと競合しない立地

見つけた物件は以前喫茶店だった10.8坪の居抜き物件。当時働いていた中目黒のカフェ「エキゾチカ」のオーナーに物件の様子を見てもらった後、契約を決めた。物件を探し始めた当初は世田谷付近が第一候補だった。しかし、思うような物件は見つからなかった。イメージしていたのは「同化しない物件」。同じ通りにカフェがあるのなら、あえてそこに出店して競合するのはいやだと山口さんは考えていた。しかし、そうなるとなかなか思うような物件は出てこない。そんな時に見つかったのが、油面商店街の中。いままで見てきた世田谷の通りよりもどことなくゆったりとした時間が流れている目黒のこの商店街に山口さんは反応した。

■飲食業界歴は10年

山口さんの飲食業界歴は約10年。岐阜の懐石料理店で部長職を務める母の影響で、小学生のころから自分で店を出したいと漠然と考えていた。専門学校を卒業後、岐阜のホテルに入社。厨房でキッチンスタッフとして働き、フレンチ、イタリアンの調理技術を学ぶ。3年後、サービスの技術を身につけようと上京、青山のダイニングバーでホールスタッフとして働き始める。6年間在籍し、最後はサブマネージャーとして店をまとめる立場も経験した。その後、オープニングスタッフとして働いたのが、中目黒のカフェ「エキゾチカ」。約1年ちょっとの間、チーフバーテンダーとして腕を奮った。そんな時、今の物件に出会った。「独立のためにほとんど使わなかったので」(山口さん)、出店の資金となる貯金も十分に貯まっていた。

■坪1万円ほどの格安物件

10.8坪で家賃は10万5000円。駅から離れているとはいえ、格安物件には違いない。保証金は10カ月。店内は居抜き物件を利用してデザイン。電灯は以前のまま使用、壁を塗り替え、床板を張り替え、テーブル・イスを入れ、設計・施工費は400万円ほどで済んだ。厨房にオーブンなどの機器などを入れ、開業資金は750万円ほどになった。

■商店街の定食屋

この物件で考えた業態は“女性が1人で来れるメシ屋”。直前まで働いていた「エキゾチカ」で学んだ、「スーパーパブリック」というコンセプトを参考に、チキンカレー、オムライス、グリーンカレーといったカフェの定番メニューが揃い、いつでもだれもが入りやすい商店街の中の定食屋という業態を作り出した。店を始めると、狙い通り、ランチタイムは近隣で働くOL、サラリーマンで一杯になった。近所の主婦層の利用も少なくない。また、夜は近隣に住むクリエイター職の人々の利用が増え始めている。「油面のたまり場になればいい」と山口さんは考えている。

■販促のビラはまかない

現在、オープンして3カ月。まだまだ認知度は低い。しかし、ビラはまかない。「店が安っぽくなりますからね」と山口さん。無理をせず、日曜日は信頼できるアルバイトスタッフに任せて体を休めている。営業時間は11時から夜の11時半まで。もう少し夜もやってみたいと思っているが、無理はしない。「頑張る方向は時間じゃなくて、あくまでお客さんのニーズにどこまで応えられるかだと思うんです」。「いつも風来坊的な感じで仕事をしてきた」と自分を形容する山口さんは、この店舗をベースに店舗展開も視野にいれているという。油面の風来坊のこれからが、気になるところだ。


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