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『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』(東京・阿佐ヶ谷)
林 和貴さん

【 2009/08/06 】 

JR中央線、阿佐ケ谷駅の北口改札を出て徒歩2分、昼はつけ麺屋――夜はダイニングバーという2つの顔を持つ『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』がオープンしたのは2008年11月23日。若乃花関のプライベートでの料理人を勤めるなど、独自の経験を積み上げたオーナーシェフの林和貴(35歳)さんが、ついに念願の自分のお店を構えたのである。

『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』(東京・阿佐ヶ谷)


『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』(東京・阿佐ヶ谷)


『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』(東京・阿佐ヶ谷)


『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』(東京・阿佐ヶ谷)


『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』(東京・阿佐ヶ谷)


『食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜』(東京・阿佐ヶ谷)



店舗データ
食愉旬感 HAYASHIYA 〜晴レ時々咲ク〜
住所:東京都杉並区阿佐ヶ谷北1-3-8
住所:城西阿佐ヶ谷ビル1F
TEL:電話:03-5356-9400
営業時間:
  月〜金 11:30〜15:00、18:00〜24:00
  土日祝 12:00〜15:00、17:00〜24:00
定休日:火曜日
HP:http://r.gnavi.co.jp/e192000/


■ 様々な経験を積んだ料亭時代

高校時代は「人の笑顔が好きで、カメラマンになりたかった」という林さん。結局、それは夢に終わったが「じゃあ“何か手に職を”と考えた時、昔からお菓子作りが好きだったのを思い出したんです。」と回想する。
その後、料理の専門学校へ進むことに迷いは無かった。
2年間の授業は「和洋中」全てを実践するカリキュラム。
中でも「和食」に強く惹きつけられた。
「日本人のワビとサビ、独自の文化が落とし込まれた奥深さがある。突き詰めると終わりがないんですよ。」林さんは強く力のある目を輝かせる。
卒業後はホテルの和食部門や赤坂の料亭の厳しい親方の下で、苦しい修業の日々を耐え抜いた。
「辛すぎてもうやめようと思ったこともありましたが、親方がカッコよかった。普段はゆるい性格なのに、こと料理に関してはこだわりが凄い。繊細すぎる程緻密なんです。」
普通の仕込みの倍の時間をかけるため、寝る時間はなし。
プロの仕事とは何かを教え込まれた。
ある日、料亭に「ある国民的なスポーツ選手」からの依頼が来た。なんとその人物とは現役時代の若乃花関。自宅で料理を管理してくれる人間を募っていたのだが、そこで店の代表として選ばれた。当時27歳。
「お店と併行して毎日メニューの打合せをし、親方の宅で料理を提供していました。その日の体調や試合の結果を考慮して決めるんです。でも、親方は一切細かなことはいわず、全てを自分に任せてくれました。」
あまり多くを語らない人が故に、時に不安になることもあったが、最後の日は「よくやった」と直々に着物を頂いたという。そしてこのことが林さんの料理に対する自信へとつながった。

■ 阿佐ヶ谷で独立

長い修業を終え、林さんはサントリー系列の飲食店を料理長として勤務。懐石料理以外にもピザ屋やそば屋など様々な店舗の立上げに参加。和洋中全ての料理を作れるようになったが、心の隅では1つの葛藤が生まれていた。
「会社という組織で学ぶものはたくさんあるが、自分が本当にお客さんに提供したい料理を作れない。」独立を意識しだしたのはこの頃から。
そして、その機会は思わぬ時にやってきた。転機が訪れたのは2008年、34歳の時。グループのある店舗が度重なる赤字により閉店。
会社側はそこでの独立出店者を募集し、林さんの心は大きく揺れ動いた。
立地は、阿佐ヶ谷の往来の多い通りから少し入ったビルの1階。
「タイミングとしては予定よりかなり早かったですが、修行時代に出会った阿佐ヶ谷のお客さん達は好きだったので、これも何かの縁だと独立を決意しました。」
しかし、夢への道は生半可なものではなかった。
準備期間はわずか半年足らず。最も苦労をしたのはお金の問題である。
「銀行からは融資額をかなり減らされて、お金がないと何もできないということを痛感しましたね。」
融資額は中々決まらずやがて工事も遅れだした。居抜きの物件であるため大部分はそのまま使うことに。さらに、料理長時代に知り合った業者や農家、そして常連だった人達が強い味方になってくれた。
木の温かみを感じる落ち着いた内装はその業者に格安で仕上げてもらったもの。
また、各材料を安価で取引してもらったりした結果、開業資金は予定よりも低く抑えることができ、協力していただいた方々のおかげでなんとか開店に間に合ったという。
この時、「独立に必要なのは“お金に対する経営者としてのシビアな目線”と“人との縁”です」と林さんはしみじみともらした。

■ 昼はつけ麺屋、夜はダイニングバー

40席の店内は約26坪。オープンして約半年と少しだが、厨房に立つのは林さん1人。
こだわりのランチはつけ麺限定。
中でも1番人気は「22種類のスパイス薫るカレーつけ麺(650円)」
太くコシのある麺が、選び抜かれたスパイスの効いた豚と鶏の旨味スープに絡み合い箸をすすませる。
夜には、栃木県益子町から取り寄せた新鮮な野菜を中心としたダイニングバーへと変身。お酒をたしなみながら、2、3品の料理を楽しみ客単価は3000円ほど。
今のところ、女性支持率が高いようで来店顧客の8割が女性だという。
独自のこだわりで各地から取り寄せた果実酒や全国でも珍しい女性の杜氏による日本酒などなど他店ではなかなかお目にかかれない品々が並ぶ。
「僕は全てに意味を持ちたがるんです。意味のないものは置きたくないですね」と職人気質の林さんは熱くハッキリとした口調で言い切る。

確かに、よく店内を見渡せば随所にそんな林さんの思いが散りばめられていることに気がつくはずである。
例えば、お店のロゴは箸と箸が重なったマークが特徴。
「実は人と人の橋渡しができるようにという意味なんです(笑)」
また、店名である「〜晴レ時々咲ク〜」は林さんが最も大事にしている「人の縁、人の笑顔」から命名。「このお店を通じてお客さんたちに笑顔が咲くように連鎖していけばいいですね。」
そんな林さんの挑戦はまだ始まったばかりだ。


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