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「江戸野菜居酒屋 江ど間」(こうけん株式会社)
宮城幸司さん

【 2008/09/25 】 

以前、大手家電メーカーに勤めていた宮城幸司さんは、8月5日、江戸野菜を使った江戸野菜居酒屋「江ど間」を東京・五反田の街に開店させた。「東京で採れる江戸野菜をはじめ東京近郊で栽培される野菜や酒、調味料などを多く用いることで人間の健康維持や地球環境の改善に貢献する飲食店を作りたい」と日々、奮闘している。

「江戸野菜居酒屋 江ど間」(東京・五反田)

「江戸野菜居酒屋 江ど間」(東京・五反田)
入り口

「江戸野菜居酒屋 江ど間」(東京・五反田)
店内

「江戸野菜居酒屋 江ど間」(東京・五反田)
江戸野菜の小松菜

「江戸野菜居酒屋 江ど間」(東京・五反田)
東京の澤乃井

店舗情報
『江戸野菜居酒屋 江ど間』
住所:〒141-0031
住所:東京都品川区西五反田1-9-3
住所:リバーライトビル1F
TEL:090-8491-3999
営業時間:17:00〜24:00
定休日:日
HP:http://www.ac.auone-net.jp/~edoma/

■ ウリは江戸野菜

宮城幸司さんがJR五反田駅西口から徒歩3分の場所に開店させた「江ど間」は江戸野菜をはじめとした野菜がメインの居酒屋だ。1番のウリは小松菜や千住ねぎ、谷中ショウガなどといった江戸野菜。江戸野菜を多く扱う築地市場の卸業者から仕入れ、「築地直送の江戸野菜」のおひたし、おでん、鉄板焼き、お好み焼きなどとして提供している。メニューのカテゴリーにはそのほか、「築地直送の旬野菜」、「江戸前の魚介」、「天然にがりの豆腐」、「おでん」、「鉄板焼き」などがあり、旬の野菜や江戸前の魚介など、特色ある素材を用いた料理が多く揃う。また、飲み物にも東京の酒造メーカーが作る日本酒や焼酎などが多いほか、味噌や醤油などの調味料にも東京産の商品を多く使用するなど、随所に「東京」「江戸」が感じられるアイテムが散りばめられている。健康志向が高まるなか、野菜をウリにした飲食店は今、とても多いが、江戸野菜や東京産食材にこだわった「江ど間」のこだわり方は、他の店にはみられないオリジナルなものと言えるだろう。

■ 居抜き物件で開業費用を抑える

立地は、人の往来の多い通りから少し入った場所に立つビジネスホテル1階。元々寿司屋だった物件を居抜きで借り受けた。各種厨房機器などは使えるものが多かったため、壁紙などを張り替え、鉄板焼き用の鉄板を設える程度で開店させることができ、開業資金は計画していた額よりもずいぶんと低く抑えることができた。L字カウンター11席、カウンター背後のテーブル6席で計17席の店内は約10坪。オープンして約2カ月の現在は、厨房に立つ宮城さんとサービスを担当する奥さんの2人で店を運営している。
認知度を高めるため、店の近くの人通りの多い場所でチラシ配りをしているほか、今後は、野菜に関心の高い消費者が集まる他の店舗や場所などにショップカードなどを置いてもらうなどのPR策も考えているという。

■ 地球環境と夢

愛知県出身の宮城さんは大学卒業後、大手家電メーカーに就職。1999年から2007年までの約8年間、主に研究開発の仕事を担っていた。しかし小さい頃から心の中にあった料理人になりたいという夢は消え去らなかった。食事を作る母親の手伝いをした経験から料理を作ることに魅力を感じたという。また、大学生の頃から地球環境問題に関心を抱くようになり、自分ができることは何かを考える時間が増えていった。「自分はどのような仕事をして社会に貢献していくか」。突き詰めていった時、独立して飲食店を開くプロジェクトが頭に浮かんだ。
ではどのような店を出したいのか。宮城さんはまず、「人や地球の健康づくりに貢献すること」を店作りのコンセプトの核に据えた。コンセプトを具体的な店作りに落とし込んでいく過程で、住んでいる近くで採れる地元の食材や、旬の時期に採れる食材を食べることが人間の健康によいことを学び、東京で採れる食材を東京で消費する地産地消の店を出すことを心に決める。これならば、遠方で栽培された食材を東京に運んで食べるよりも輸送コストなどが少なくて済むので温暖化ガスの排出量削減にもつながり、一石二鳥と考えたのだ。

■ 料理学校で学びノウハウを吸収

ただ、店を開きたいといっても宮城さんに技術や店を開くためのノウハウはなかった。そのため、06年6月から服部栄養専門学校のカフェスウィーツコースに通い始めた。07年3月までの約9カ月の間、週2回、会社帰りに学校に通って飲食店を開業するためのノウハウを学んだ。
会社を退職したのは、07年6月。学校の次は麻布十番の居酒屋でアルバイトを始め、調理方法や接客、店の日々の運営など、実際の飲食店の経営についてのノウハウを学び始める。「調理方法など店を切り盛りするためのノウハウも教えていただきましたが、ここで学んだことで一番大きかったことは、日々楽しく営業することの大切さ。スタッフが楽しく働かないと、来店したお客様にそれが伝わってしまいますからね」と宮城さんは当時を振り返る。
アルバイトと並行して2008年の1月頃から物件を探し始めた。条件の店がなかなか見つからず、苦戦したものの、なんとか現在の物件にたどり着き、8月の開店にこじつけることができた。

■ 変わる五反田

今、五反田が大きく様変わりしている。3月に五反田駅前西口に駅ビル「アトレヴィ五反田」が開業したのに続き、4月には東急池上線駅直結の商業ビル「レミィ五反田」も開業するなど2008年に入って駅周辺の商業ビル開発が目立っている。ほかにも駅付近には開発中の大規模タワーマンションや商業ビルが多く見られ、従来、近隣の恵比寿や渋谷などと比べると地味な印象の強かった五反田にも、ようやく変化の波が押し寄せていることがうかがえる。以前、勤めていた会社が近くにあったので宮城さんは五反田周辺には土地勘がある。聞けば、最近、西五反田、東五反田周辺に飲食店が増えているそうだ。「開発が進む五反田はこれからがとても楽しみな街」。宮城さんはそう考えている。


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