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「カルシファーズ・グリル・アラ・トスカーナ」(東京・銀座)

【 2007/09/27 】 

「3丁目と8丁目って、銀座でもこんなに客層が違うんだってことが、実際に2店やってみてよくわかりましたよ」。8月10日、銀座8丁目の“名店通り”、金春通り沿いに建つ飲食ビル7階に、2店目となる飲食店「カルシファーズ・グリル・アラ・トスカーナ」を開店させたオーナー、甲斐崇史さん(37歳)は、銀座3丁目の一号店とは明らかに異なる客層に“手ごたえ”を感じていた。

「カルシファーズ・グリル・アラ・トスカーナ」(東京・銀座)

「カルシファーズ・グリル・アラ・トスカーナ」(東京・銀座)

「カルシファーズ・グリル・アラ・トスカーナ」(東京・銀座)

店舗データ
カルシファーズ・グリル・
アラ・トスカーナ

住所:東京都中央区銀座8-7-7
住所:ジュノー誠和銀座ビル7F
最寄り駅:地下鉄銀座駅 徒歩3分
最寄り駅:JR新橋駅徒歩5分
TEL:03-3574-0877
営業時間:17:30〜23:00(L.O.22:30)
定休日:日曜日
定休日:(月曜休日の場合、営業)
総席数:32席
HP(ぐるなび):
http://r.gnavi.co.jp/g915501/


■ 銀座出店の自信

今から約5年前。2002年12月、銀座3丁目に「バール・エ・リストランテ タブリエ」を開店させた時は、レストランのクオリティーを保ちながら、もっとカジュアルに使えて、もっとドリンクのメニューが充実したイタリアンを作りたかった。狙いは的中する。銀座エリアで働くOLやビジネスマン、銀座で遊ぶ女性たちが、この店の価値を重宝がるのに時間はそうかからなかった。食事にもいい、また9時以降は“バー使いができて料理もきちんとしている2軒目の店”として使える。都合よくこの店を自由に使う客が、効率よくきっちり2回転するのだから、瞬く間に店は軌道に乗った。
「実は開店して2、3カ月はまったく宣伝をしなかったんです。この店はいったいどれぐらいのポテンシャルがあるのかを確かめたくて。ゼロの状態のこの店の力を試したかったんです」。独立した飲食店経営者がこんな“余裕”を持てるのは、どうかしていると言える。開店したら、すぐにその日から、自分の頭の中で練り上げた1日の目標売り上げを達成しないと不安になってしまうというのが、世の常というものではないか。
甲斐さんのこの“余裕”には理由が二つある。1つは以前、銀座で働いていた経験があったので、この土地を知っていたうえに、この店の場所が持つ強さに確信を持っていたこと。もう1つは、独立ではありながら、少し前まで一緒に働いていた仲間と、以前と変わらず仕事ができる体制があったこと。
この2つを説明するために、甲斐さんのこれまでを追っていきたい。

■ BARからの出発

大分県で生まれ育った甲斐さんが東京にやってきたのは、10代の終わり。バスケ部のキャプテンなども務め、充実した高校生活を終えた後、地元の知人が働くバーでたまたま働いたことが、バーの奥深さをもっと知ってみたいと思うきっかけになった。好奇心をたずさえて東京・銀座のバーで働き始めたのが、19歳のころ。「バーテンダーの能力は、お客様と対峙した時にいかにお客様が求めるものを感じ、提供できるか。いつもそんなことを考えながら、仕事をしていた記憶がありますね」。バーで、バーテンダーとして働きながら、23歳でソムリエの試験にも合格する。それが、自分に必要だと思っていたから働きながら、勉強した。東京に出ると決まったころにはすでに自分の店を持ちたいという願望があった。

■ 開店へむけて

7年間、バーで働いた後、都内の有名イタリアンレストランで、ソムリエとして働いた。26歳の時に、ライブスペースや飲食店などが併設された横浜の複合店に移ったのは、ソムリエとは違うスキル、マネジメントを学ぶためだった。「学んだのは、人と一緒に仕事に向き合う大切さ。肩を並べて一緒にやる。そうすると伝わるんです。もちろん、猿芝居ではすぐにばれますけどね」。15名ほどのスタッフが日々動く店舗の店長として、店の収支の管理も任され、自分のお金が“増えるように減るように”感じながら、運営にあたった。今でも使っている売り上げ管理ソフトは、この時にエクセルで自作した、各種データが拾いやすいものだという。開店資金は貯金と国民生活金融公庫などの金融機関から借り入れた。横浜の店のスタッフとともに、こうして一店目の船出に至ったのである。

■ 客単価は1万弱

「カルシファーズ・グリル」の魅力は4980円のプリフィクス。前菜はワゴンサービスで提供し、十数種類から好きなメニューを3種類選ぶ。パスタとメインの炭火焼き料理に加え、最後はワゴンでドルチェが運ばれる。
「ビジネスマンの方々に軽めの接待でお使いいただくことがいまのところ多い。まだ、開店したばかりですが、リピーターになっていただける方が多いのが特徴ですね。ワゴンの上にのせられた前菜に視線を注ぐお客様の笑顔を見ていると、本当にこの店をつくってよかったと思えます」。イタリア・トスカーナ産にこだわったワインとあわせても客単価は1万円を超えないように配慮している。
「銀座には数多くの飲食店がありますし、特に1万円を超える高級店は競合店が多い。だからこそこの店は1万円を越えない価値で勝負しようと考えています」。お会計時に一万円を超えないと、「ありがとう」といってくれるお客様が多いという。その「ありがとう」に甲斐さんは、新店に対する手ごたえを感じているようだった。
こうして、今、また銀座に新しい店が根づいていこうとしている。確かな経験と熱意を武器に。


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