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「Spoon Bread(スプーンブレッド)」(自由が丘)

【 2006/10/19 】 

『自由が丘スイーツフォレスト』=『パティシエデザート』と連想する人が大半ではないだろうか。ところが、その中にパティシエという肩書きを持たずして、2003年11月『自由が丘スイーツフォレスト』オープン時に「スウィーツセレクト」の2階に出店をしたオーナーが存在する。
Mother's inc(マザーズインク)代表取締役 武藤 ゆうき 氏である。

「Spoon Bread(スプーンブレッド)」(自由が丘)

「Spoon Bread(スプーンブレッド)」(自由が丘)

「Spoon Bread(スプーンブレッド)」(自由が丘)

店舗データ
住所:東京都目黒区緑ヶ丘2-25-7
住所:ラ・クール自由が丘
住所:スイーツセレクト2F
TEL:03-5371-6262
店舗面積:36坪(スクール部分 7坪)
席数:35席
営業時間:
11:00〜19:30(19:00 L.O.)
祝祭日前11:00〜20:00(19:30 L.O.)
定休日:月曜日
(但し月曜日が祝祭日は営業、翌火曜日が振替でお休みになります)
客単価:1100円
月商目標:550万円(繁忙時期別途)


■ 食のエンターテイメントを極めたい!

目的は、食文化のエンターテイメントを追求すること。その名は「Spoon Bread(スプーンブレッド)」、NYの食文化発信アンテナ基地である。経営は「楽しく食べ、素敵なことを知り、学び、素敵に生きていく」という企業理念を掲げる「Mother's inc」である。いまや、代表商品『ポップオーバー』とはきのこの型に入れて生地を焼き上げるシュー皮のようでデニッシュのようなサクサクした舌触りのアメリカンブレッド。最近はテイクアウトが好調で、週末には1日200個近くを売り上げる実力派である。「『ポップオーバー』は常に焼きつづけていますよ。できる限り焼き立てを提供したいので。」とオーナー武藤氏。

■ 突然の出店決定

オーナー武藤氏に出店のチャンスはどのように舞い込んできたのだろうか。「はじめは、私の知人と食事をしている時に『もし、自由が丘でお店を開くとしたら何をする?』と投げかけられたのです。その際に、以前から頭にあった食への思いと自由が丘という立地イメージを結びつけて簡単に話をしました。ところが、その知人はアイデアに何かを感じ取ったのか、2週間以内に企画書に起こしてほしいという話に発展したのです。」武藤氏はとりあえず企画書作成を了承したものの、どこに提出するのか、さらには具体的な立地なども一切教えられてはいなかったという。
その後、自分の夢を一杯詰め込んだ企画書を知人に提出し、武藤氏は1ヶ月半のアメリカ出張の準備に明け暮れていた。そんな中、知人から突然プレゼンに来てくれないかと連絡が入り、初めて現在株式会社ナムコが運営する『自由が丘スイーツフォレスト』へ企画書が渡っていたことを知らされた。プレゼン日は渡米の2日前、忙しいさなかをぬってプレゼン会場へと足を運んだのだが、「ぜったいに可能性はないと思っていたので、もう心はアメリカでしたよ。」と武藤氏。ところがその日の午後9時、携帯電話に「ぜひ出店をお願いしたいのですが」と担当者からの連絡が入ったのである。「ありえないですよね(笑)、オープンは3ヶ月半後に迫っていて、私は明後日から1ヶ月半アメリカ。
さらには、商業施設への出店ということもあり、保証金などの話も突然ふって沸いてきて。トータルでかかった資金は4800万ほど。でも一緒に経営することに賛同してくれたパートナーや古くからの友人が日本を離れている間の担当窓口を引き受けてくれたのです。ありがたかったですね。」今おかれている状況を完璧に把握することができないままに、武藤氏はアメリカへ飛び立った。アメリカへつくとすぐに、滞在ホテルに契約書・図面などがどんどんFAXで送られてきた。こうして、背中を押されるように、夢の実現の一歩を踏み出したのである。

■ アメリカ発!食文化の魅力

「アメリカの食文化は面白いですよ。人種の数だけ食文化があるんです。」と武藤氏。
確かに「スプーンブレッド」の代表商品でもある『ポップオーバー』もニューイングランドから伝わり、NYで定着している人気メニューである。そのほかに、ベーグルやドーナッツ・ピザなどもルーツは様々であるのに、NYバージョンとしてしっかりと腰を下ろしている。もちろん、NYはジャンクフードも発達していることは否めないが、オーガニック・マクロビオテック・ファイバーフリーなどの健康志向が日本より進んでいることも確かである。3年半のNY在住時に「何とかしてこの食文化の魅力を持ち帰りたい」という思いが芽生え、武藤氏の頭の中には「アメリカンブレッド」のブランド構築が夢となって描かれ始めていた。それから、好奇心・探究心はどんどん広がっていく。「NYに暮らしていた頃、とてもお気に入りのベーグル店があったんです。そこは24時間焼き上げているお店でした。作り方が知りたいあまり、ゴミ箱をあさり、使用している粉のメーカーを調べたほど。あまりにも足しげく通った甲斐があり、最後には厨房へ入れてもらいましたよ」というエピソードまで持っている。その想いが企画となりプレゼンする日が突然来るとはその頃の武藤氏には思いもよらなかったことであろう。

■ フードビジネス<食文化の発信

アメリカから帰国後のオープンに伴う業務は生半可なものではなかった。2ヶ月間でメニュー開発から、近隣のマーケティング調査、事業計画の作成、さらには内装及び家具やカトラリーの選定まで。特にメニューに関しては、武藤氏は妥協を許さなかった。「自分がNYで感動した味を再現したい。しかも、日本人が日本で食べて美味しいと感動する作品にしあげたい」という信念を貫いた。特に自由が丘という場所柄、周辺の方々の食に対するアンテナ感度は非常に高く、もちろん子供に対する食育の問題や、ゆとりある食事時間も求めていることを念頭においていた。
「『ポップオーバー』の材料は、卵・牛乳・薄力粉に少々の塩のみです。ベーキングパウダーなどは一切用いず、オーガニックにこだわりをもち素材を厳選しています」NYではシチューやベーコンエッグとともに食べることが日常である。しかしながら、NYで流行っているそのままの形だけでは、日本人に浸透させることは難しいと思った。ランチタイムではカレーやシチューとともに召し上がっていただく、しかし「もっとシンプルに、わかりやすいメニューを」と追求した結果、焼きたての『ポップオーバー』の中に、冷たいアイスクリームと生クリーム、トッピングはバナナにチョコレートソースという、「ポップオーバーサンデー」(650円)にたどり着いた。もちろん、女性やお子様に爆発的な人気となり、一度に2皿を食べきったお子様が出現したほど。こうして、日本で初めての『ポップオーバー』の専門店として歩み始めることとなったのだ。


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