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「串亭(くしてい)」(東京・恵比寿)

【 2006/08/03 】 

恵比寿西口の飲食競争を横目にとおりすぎ、にぎやかさから静かな落ち着きへ変わる場所に「串亭」は店を構えた。オープンは2006年7月10日。オーナーは8月24日に30歳を迎える路次徹夫さんである。株式会社フードスコープを経て、2006年3月3日に株式会社リアルテイストを設立、飲食店業務委託運営から出発し、わずか4ヵ月後には直営店の新規出店へと到着した。オープンを支えているのはやはり、信頼できる仲間だと路次さんは語った。

「串亭(くしてい)」(東京・恵比寿)

「串亭(くしてい)」(東京・恵比寿)

「串亭(くしてい)」(東京・恵比寿)

店舗データ
住所:東京都渋谷区恵比寿2-4-5星ビルディングB1F
TEL:03-3464-7015
営業時間:月〜土・祝前日 17:00〜翌4:00
営業時間:日・祝 17:00〜23:00
URL:http://www.real-taste.net


■ きっかけは大学の模擬店

大阪生まれ大阪育ち、もちろん語り口調は関西弁である。路次さんが飲食の面白さに目覚めたのは大学時代の学園祭の模擬店だった。焼きそばやたこやきなどの出店が立ち並ぶ中、路次さんらはコンセプトをがっちりと固め、「屋台BAR」を展開、大成功を収めた。アルバイトでレストランバーに勤務していたものの、こんな感動を味わったことはなかった。
実は中学生から起業の夢があった路次さんであったが、このときはっきりと飲食店という形が見えてきたという。目標は30歳と定めていた。

■ 親の説得

大学卒業後、すぐにでも飲食の道へ進みたい思いはあった。しかし、路次さんはあえて就職活動を金融系へ絞り、もっとも過酷な企業を選んだ。なぜだろうか。「それはまずは違う世界で自分の実力を試してみたかったから。親の思いも汲み取りながら考えた結果、父親が銀行系だったのであえて金融へ進みましたね。そこで結果を出して、自分の好きな道へチャレンジしようと考えました。」(路次さん)東京配属となり右も左もわからない状態で、がむしゃらに働いた結果、入社3年、25歳で支店長へ、10億の予算を動かすようになっていた。この結果は自分自身、そして周囲をも納得させられた。

■ 一からの出発

「さあ、自分の好きな道へ進める、どこの門をたたこうか」時代はダイニングブーム真っ盛りであった。しかし、上場しているような企業は避けようと考えていた。その頃、応援してくれた父親から「どうせなら完成されていない企業へ飛び込め」というアドバイスをもらったことも要因だった。今井社長の魅力に惹かれ、株式会社フードスコープ「今井屋総本店」のホールスタッフとなる。年収は前職の1/3になった。その当時、自分の選んだ企業がまさか上場し今の規模になるとは思いもよらなかったそうだ。決めたことはひたむきに突き進む路次さんである。ホールスタッフを経て店長へ就任すると売り上げを140%へ引き上げた。その後、GMへ昇格し9店舗を統括、気がついたときには28歳で事業部長に登りつめていた。

■ 独立へ

「周囲からみたら何の不自由もなく楽しんで仕事をしているように見えていたでしょうね」と路次さんは笑う。「おそらく今の地位を手放すことを決めたとき『もったいない』と思った人はたくさんいるとおもいますよ」とも。
しかし、株式会社リアルテイストの社名は25歳のときから決めていた。携帯アドレスは25歳から変わらずreal-taste 、着々と30歳の目標年齢に近づいてきた路次さんはチャンスを見過ごさなかった。財務のプロに自身の独立時の依頼をしていた矢先、業務委託を考えている社長に出会ったのである。業態は串揚げ、もっとも路次さんがチャレンジしたかった業態であった。そんな奇跡的な出会いを無駄にすることは出来ない、翌日までに企画書を完成させ、アポイント依頼の電話をした。即日アポイントはいただけなかったものの、その行動力を認められ、権利を獲得することが出来た。この話が持ち上がったのが、2006年2月後半、会社設立が3月3日、そして委託契約を結んだのが3月9日。リニューアルオープンは4月1日という神業的なスケジュールを路次さんは乗り切ったのだった。
そのときの仲間は路次さん含め4人、学祭の模擬店からの後輩、財務のプロ、そして料理長。料理長はどうしても一緒にビジネスをやりたかった人物に告白をした。「女性に告白するように、緊張しましたよ。」自己資金1000万のスタートだった。

■ 念願の直営店

路次さんは止まらない、すぐに直営店の出店を計画した。
場所は飲食激戦区『恵比寿』上京した当時から勝負をかけるなら『恵比寿』だと決めていた。業態はもちろん串揚げ、大阪に行列が出来る串揚げ屋がある。その名も『串亭』、大阪に戻り、店を1人で切り盛りするおかみさんに聞いたという。
「東京で『串亭』旗揚げしていい?」
「いいよ、東京出店夢だったから」というおかみさんの許可を受け、命名した。
もっとも苦戦したのは資金繰り。20坪35席、スケルトンからの総工費は3200万に膨れ上がっていた。なんとか2000万の資金調達を間に合わせ、晴れて7月10日を迎えることが出来た。

■ 今後の展望

「経営者は大変ですね、今までは全部雇われていたから本当の大変さがわかっていなかったと思いますよ。数十億を動かしていたはずなのに、月商500万の店舗を切り盛りするのに必死ですもん」という路次さんの笑顔は明るい。 飲食業界に足を踏み入れた人のほとんどが夢みるといっても過言でない「自分の店」を公言どおり30歳までに手に入れた。しかし、これからも数々の難題が降りかかってくるだろう。が、路次さんのこと、きっと笑顔で切り抜けてしまうのだろう。
「日々、毎日を反省し振り返りますよ。そしてまた前を向いて進むんです。目標は年末年始を休んでみんなで海外旅行!店舗目標は新宿や銀座にも勝負をかけることですかね。」


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