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今週のこの人この店このグルメ 【 2005/12/20 】 

蕎麦 たじま

蕎麦 たじま

蕎麦 たじま


蕎麦 たじま 「野菜料理+そば」が新しい!プリフィクスコースがある新そば屋

蕎麦 たじま

蕎麦 たじま


■店舗データ
蕎麦 たじま
住所東京都港区西麻布3-8-6
電話03-3445-6617
営業時間
月〜土11:30〜14:30
17:30〜22:00(LO)
日・祝11:30〜14:30
17:30〜21:00(LO)
定休日水曜日
席数28席
店舗面積24坪


■そば店で3000円のプリフィクスメニュー

ウリは「野菜料理とそば」。11月4日に東京・西麻布にオープンした「蕎麦 たじま」は野菜料理で有名な青山の「正(ゴカク)」を経営する小宮氏がプロデュースするそば屋として注目だ。基本的なメニューはそば屋では珍しいプリフィクスコース(3000円)。野菜の小鉢3品と野菜料理1品、そして〆のそばで構成される。他にもアラカルトで「せいろ」や「おろし蕎麦」などのそば、「板わさ」や「かき揚げ」「玉子焼き」などのそば前料理が用意されている。そのため、コース料理を味わう以外にも、食事として一杯のそばを味わうこともそば前料理をあてにお酒を楽しむこともできる。外観、内観も潔くシンプルなデザインが施され、一見敷居が高いイメージだが、実は間口の広い使い勝手のよい新タイプのそば屋だ。

■個性的なそば屋との出会い

店主の田島さんがそばの世界に入ったのは今から10年前。実家はそば屋だったが、はじめたアルバイトはパスタ屋だった。ある時、白金の有名そば店「利庵」で食べたそばの味にいたく感動。その場ですぐに「ここで働きたい」と志願したが、既存のスタッフが多く断られた。しかし、「利庵」のスタッフに紹介された江東区・森下の「京金」で働くことに。ここで田島さんのそば屋での修行がスタートした。この時すでに将来、独立して店を持つことを心に決めていた。

2年間勤めた「京金」ではみっちり基礎を学んだ。そして次に働いた新橋の「本陣房」でも5年間修業。その間、田島さんは独立のカギとなるそば屋のスタイルに出会うことになる。長野県の黒姫高原にある「蕎麦ふじおか」だ。この店、地元客はもちろんのこと、そば通が全国各地からわざわざ食べにくるほど人気のそば屋である。11時30分に開店すると20席ほどの店内はすぐに満席、14時にはそばがなくなり、閉店してしまうほどの人気店なのだ。人気の秘訣はもちろん料理。1800円という価格で、せいろと五品の大皿の野菜料理、9品のおしんこが楽しめた。「そば前に地場の美味しい野菜料理を堪能し、数々の漬物を愉しんだ後にそばを食べるという構成が舌もお腹も心も満足する内容なんです」と田島さん。1800円という金額でそば前料理をゆっくりと味わい、そばで〆るというバランスと流れの良さに田島さんは驚いた。しかもお客様の滞在時間は1時間半ほど。「『ふじおか』の東京版をやろう」。田島さんは心に決めた。

■野菜料理と向き合うために「正」へ

「本陣房」で修行したのち、小宮氏と出会い、三宿の「正」で働き始める。2年間小宮氏の下で過ごし、野菜料理と向き合う。それまでアラカルトのみで営業していた「正」でプリフィクスコースが始まり、〆に豆と穀物のごはんか田島さんのそばが入る事になった。当初そばはほとんど出なかったが、小宮氏と共に料理とのバランスを考え、“〆のそば”のかたちを追求した。すると徐々にご飯よりもそばを注文するお客様が増えるようになった。

「たじま」の立ち上げ前に九段の「大川や」に入り、あらためてそば屋での感覚を確かめる。ここでは「正」で培ってきた野菜料理をメニューに組みこんだ。お客さんの反応は好評だった。ここで田島さんはそば屋での野菜料理ニーズをあらためて実感。小宮氏と共に、「たじま」のオープンの準備にとりかかった。

■業態を構築する=最終的なスキルを探る

三宿にオープンし、昨年末に青山に移転した野菜料理の「正」。店主で料理人である小宮氏が、今回総合プロデューサーとして「たじま」の立ち上げに携わった。小宮氏がいかに「たじま」を構築したのかを見ていこう。

数々の料理経験があり業態開発を行う小宮氏が、新しく業態を構築する時に常に考えること。それは10年後、その店が(料理人が)どのようになるか想像し、理想の姿を念頭に置くこと。つまり、もともとのポテンシャルから最終的なスキルを探るのだ。2年間「正」で田島さんのそばをみて、食べ、提供してきたので田島さんのそばを熟知していた。その中でそばのあり方を探っていった。修行を積んできた田島さんのそばは野趣あふれる風味豊なそば。その持ち味を活かしつつ、そばに必要な『角』(そばの切り口のかたちやそばつゆの味わいのこと)をしっかり持たせていった。とりわけ、そばは嗜好品というカテゴリーにも入るので田島さんの打つそばの個性と、そばの決まりごとをまとめる意識が必要となった。

■はっきりと記憶に残る店

記憶に残るお店を作るには、食べた充実感が必要になる。「『たじま』で何を食べたかが、はっきりと記憶に残る事が大切」と小宮氏は考えた。そこでまずプリフィクスコースを設定、「たじま」を味わう充実感を持たせることにした。しかし、コースの料理一品ずつにあえてストーリーはつけなかった。というのも、前菜をあくまで前菜ではなく一品の料理としてコースの中に存在させたかったのだ。そうすれば、一度コース料理を楽しんだ客が次回、一般的なそば屋として利用した際に単品としてオーダーしてもらえると考えたのだ。野菜料理の味付けには醤油は極力使用しないようにした。通常そば屋のそば前料理は醤油の味付けのものが多いが、そば前料理で濃い味付けのものは食べて欲しくなかった。最終的にそばをどう感じてもらうかを逆算して考えた結果、味の方向性が必然的に決まっていった。

小宮氏はメニューの開発と共に空間も企画した。「内装はメニューコンセプトとリンクさせること」。小宮氏が業態をつくる際に気をつけているポイントだ。今回は、四角い店内からそばに必要な『角』が醸し出されるような設計。そして料理屋のようなイメージで、座りやすい椅子や温かみのあるテーブルを配置した。

こうして、一つの「たじま」という業態ができあがり、開店に至った。果たして10年後の「たじま」はどのような姿で存在しているのだろうか。注目だ。


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