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春節のおめでたいスイーツ 八宝飯&甜年米羔
左が「甜年米羔(テンニィェンカオ)」、右が「八宝飯(パーポーファン)」。春節を彩る可愛らしい中華菓子。
春節のおめでたいスイーツ 八宝飯&甜年米羔
【 2008/02/14 】

旧正月は日本ではあまり馴染みがなくなりましたが、中国では今も旧暦のお正月を盛大にお祝いします。旧正月のことを中国では春節と呼び、各地で華やかなイベントが目白押し。今年の春節は2月7日! 日本で春節のお祭り気分を味わえるところといえば、もちろん中華街! 1歩足を踏み入れるとそこはすっかり中国! 北京語、上海語、広東語など様々な中国語が飛び交います。赤くてド派手な飾り付けにキラキラのネオンもステキ。今回は獅子舞が踊り爆竹が鳴り響く横浜中華街に潜入! 春節ならではのお菓子や食べ物をゲットしてきましたよ! 縁起物スペシャルでまいりましょー。



日本のお正月には鏡餅やお雑煮、おせち料理がハズせませんが、中国ではどうなのでしょう? 今回ご紹介するのは、「八宝飯(パーポーファン)」と「甜年米羔(テンニィェンカオ)」。中国の春節に欠かせない定番の中華スイーツとでも言いましょうか。どちらもおめでたいお菓子です。

「八宝飯(パーポーファン)」
もち米の中にはこしあんがギッシリで確かに「おはぎ」のよう。蒸し直すと出来立ての瑞々しさが復活します。
お米のケーキのような愛らしい点心「八宝飯」は、北京をはじめ中国各地でお祝いの席によく登場する。蒸したもち米の中にこしあんが入っていて、中国版「大きなおはぎ」。薬膳料理にも使われるナツメを末広がりで縁起の良い8つ飾りつけ、家族の健康や夫婦円満を願うのだとか。他にもサクランボやアンズ、パインなどのドライフルーツを使うことも。食べるときは蒸し器か電子レンジでホカホカにしてからいただきます。

初めて食べた八宝飯はこってり甘くてなんだか懐かしい味。濃ゆーいあんこがなかなかウマイ。「お祝い菓子だしきっとお砂糖いっぱいだろう」なんて言って、強烈な激甘を覚悟していたので(すみません)、意外とおいしいのに調子づいて気付けば半分ほどパクパク。しかし! 時すでに遅し。どうやらもち米にラードを加えて形を整えてあるらしく、胃が、、重い、、、ウップ、食べ過ぎた。これは一切れで十分でした。烏龍茶などさっぱり系のお茶といっしょに、家族みんなで分け合ってちびちび食べるのをおすすめします。

「甜年米羔(テンニィェンカオ)」
薄くスライスして焼くと、みるみる柔らかいお餅に変わってくる。ここでもナツメはちょこんとトッピングに。
さて、広い広い中国では地方ごとにお正月料理が全然違う。中国でも南部の地域はお米を主食にしていて、春節には「年米羔(ニィェンガオ)」という、うるち米の粉から作った中国のお餅(韓国のトックによく似た食感)が欠かせません。一般的には日本ののしもちのようなナマコ形で、日本のお餅ほど粘りはなく、薄切りにして干貝柱のスープに加えて「湯年米羔」という中華風の雑煮を作ったり、炒め物に加えて「炒年米羔(ツァオニェンガオ)」にしたりと、いろんな料理に使います。

「甜年米羔(テンニィェンカオ)」
「年米羔」が「新年餅」の名前で売られているのを発見。形は正方形だったが、同じく黒糖のやさしい味。
そんな「年米羔」の点心バージョンが「甜年米羔」というわけ。チョコレートケーキにも見えますがもちろん違います。薄くスライスしてフライパンでカリッと焼いて食べるのですが、これまた味の想像がつかん代物。(黒いのは漢方か!? 苦いのか!? )と不安に駆られつつ、とりあえず一口。「おおっ、これは美味! 」黒いのは黒糖の色だったのかー。黒糖のこっくりとした甘さとココナッツミルクの風味が出会って、とっても食べやすい絶妙な味に仕上がっている。外側はカリッと中は求肥のような舌の上でとろりととろける柔らかいお餅で食感もたまらない。ほっとリラックスできるお餅だ。ちなみに「年米羔(ニィェンガオ)」は「年高(ニィェンガオ)」と同じ発音。「年々長高(年々豊かで恵まれますように)」との語呂合わせで縁起が良いとされ、家族の幸せや子どもの成長を願って食べる大切な縁起菓子なのです。

春節 獅子舞
春節の目玉がこちら! 御祝儀袋をくわえた獅子舞が爆竹やドラの音に合わせて乱舞し、今年の商売繁盛を祈願!
ピーナッツは中国では「長生果」と書き、長寿を願って食べる縁起の良い食材
ピーナッツは中国では「長生果」と書き、長寿を願って食べる縁起の良い食材。金ピカの飾りが派手カワイイ。
南部は今回ご紹介したようにお米を良く食べますが、中国北部ではもっぱら小麦が主食。そんな地域ではお正月といったら餃子! もちろん普段から餃子はよく食べるのですが、大晦日に家族総出でたーくさんの餃子を作ります。そのとき、餃子にはコインやピーナッツを忍ばせておくのです。新年が来たら、親戚みんなで食卓を囲み、おみくじのように今年の運勢を占いつつ楽しんで食べる。「コインが当たれば金運アップ! 」「ピーナッツが当たれば長生きできるぞ! 」なんて、みんな餃子をつまむハシに力が入るんだとか。

中国、日本と、ところは変わっても誰もがわくわくする特別なイベントがお正月。新しい年の幸せを願って食べるお菓子やお料理には、ほんとうにパワーが宿ってる気がします。縁起物を食べ尽くしたから、今年はいいことあるかも。謝謝、ごちそうさまでした!

*「年米羔(ニィェンガオ)」の「米羔」は、「米」へんに「羔」と書く漢字です。

Recipe

八宝飯直径13cmの茶碗1コ分

<材料>
  • もち米 300ml
  • 砂糖 大さじ2
  • ラード 大さじ1
  • こしあん 150g
  • ナツメ 適量
  • ドレンチェリー 適量
  • 器に塗るラード 適量
 ■シロップ
  • 砂糖 大さじ3
  • 水 150ml
  • 水溶き片栗粉 適量
<作りかた>
  1. もち米は研いで一晩水に浸しておく。蒸す30分前にはザルにあげて水気を切る。
  2. ナツメ、ドレンチェリーを適当な大きさに切りラードを薄く塗った器に貼り付けておく。
  3. 蒸し器でもち米を30〜40分蒸す。
  4. こしあんをよく練り、冷ましておく。
  5. 蒸しあがったもち米は熱いうちに、砂糖とラードを加えて軽くつき混ぜる。
  6. もち米を器のフルーツに押し付けるように入れていく。中心にはこしあんが入るので空けておく。
  7. 4のこしあんをもち米の中心に入れ、少し残しておいたもち米をしっかり蓋をするように詰める。
  8. アルミ箔で包み、強火にかけた蒸し器で40?50分蒸す。
  9. 砂糖と水を合わせて火にかけ、水溶き片栗粉でとろみをつけたシロップを準備しておく。
  10. 蒸しあがったらお皿に取り出して、仕上げに9のシロップをかけて完成!
使うフルーツは干しアンズ、干しパイナップル、レーズン、クコの実、アンゼリカなどもおすすめ。
八宝飯なので8種類入れれば完璧ですね。

Information

重慶飯店も軒を連ねる中華街大通り 重慶飯店も軒を連ねる中華街大通りは、夜になるとネオンや提灯がきらびやかに点灯してとってもキレイ。
【お店情報】
重慶飯店 横浜中華街第一売店
横浜市中区山下町185
TEL:045-641-6874
重慶飯店

横浜中華街に多くの店舗を構える老舗「重慶飯店」。「八宝飯」と「甜年米羔」は、春節の時期だけの限定発売。月餅や中華菓子がズラリと並ぶ店内は見ているだけでも楽しい。

清 絢 清 絢(きよし あや)
郷土料理研究家・編集者。各地の郷土料理を食べ歩き、家庭の食卓にも取り入れやすい郷土料理レシピを日々研究中。

郷土料理研究・清風堂
http://shikumi.jp/seifudo/index.html

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