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西表島の隠れた名物! ガザミそば
沖縄本島の市場では1キロ5000円もする高級品ノコギリガザミのハサミが鎮座する「ガザミそば」。
西表島の隠れた名物! ガザミそば
【 2007/12/06 】

未知の郷土料理を追い求めて行ってきました沖縄県西表島! 西表島といえば、やっぱりイリオモテヤマネコにマングローブ。いやいや! それだけじゃないんです! 本州を遠く離れた離島には、まだまだ知られざる郷土料理がわんさか。日本とは思えない亜熱帯のジャングルに囲まれていただくのは西表島名物「ガザミそば」。ノコギリガザミという巨大なカニが味の決め手というが、その正体やいかに!? 今回はヤマネコでもなくジャングルでもなく、そばを食べるためにひとっ飛び! 南の島から師走の日本にお届けします。いざ、ガザミそば!



ガザミそば
この中においしい身が隠れてる! 自分の歯で殻を噛み砕こうとするも、小さなヒビすら入らないほど堅い!
西表島のパイヌマヤリゾート内にあるレストランサミンで、早速「ガザミそば」とご対面。生きていれば指の1本でもちょんぎられそうな立派なノコギリガザミのハサミが私を睨みつける。「ここでしか食べられない味、しっかりレポートせねば! 」と使命感に駆られ、殻割りを握りしめて真っ赤なハサミに挑みかかる! ガチッと殻を破って、中から顔を出したのは白くてプリッとした身。はやる気持ちを抑えかぶりつくと、なんとも濃厚な甘味が口の中にジュワーっと広がる! 味の濃さは普段食べているカニとは比べものにならない。タラのように身離れが良く、歯ごたえもあって食感も期待以上。ノコギリガザミをまるごと煮込んでとったダシ汁はそばと相性バツグンで、漁師料理のような野性味あふれる喉ごし。ゴクゴク飲み干すと、気分はもう船上! 大海原でカニ汁を掻き込んでいるような豪快な気分にさせてくれる。プハーッ!(カニが捕れるのは河口だけど。)

アダンの立派な天ぷら
八重山地方の道端にたくさん生えている植物アダンも立派な天ぷらに変身! タケノコに似て美味なんです!
ガザミそばの主役「ノコギリガザミ」はマングローブの森が広がる河口付近の泥の中に棲む、ワタリガニ科最大のカニ。西表島には浦内川、仲間川という大きな川があり、そこが彼らの格好の住処というわけ。島では高級食材のひとつで、独特な甘味が人気の秘密。古くは島のオジイ、オバアが水の引いたマングローブの森を歩き回って捕っていたそう。今でも島の人々はまるごと茹でたり、カニ汁にしたり、なんともダイナミックな調理法で食べている。

西表島
西表島は日本の西端あたり。鬱蒼としたジャングルに立ちすくんだモヤシっ子取材班。日本は意外と広かった!
そんなノコギリガザミを贅沢にもそばのダシにしてしまったのが「ガザミそば」! 大きな鍋にきれいに泥を洗ったガザミを入れ、灰汁を丁寧に取りながらじっくりじっくり煮込む。ゆっくり時間をかけてカニエキスが残らず染み出したダシは芳醇で泥臭さは少しもない。そばは西表島の製麺所で作られている「西表そば」を使うことが多いが、さらに手をかけるときは、甲羅を粉末にして麺に混ぜこむこともあるそう。お店によってはノコギリガザミが1匹まるごと乗っかって出てきちゃうスペシャルバージョンも! 堅実なウマさと見た目のおもしろさを兼ね備えたご当地名物にピッタリの1杯で、今や食部門では西表島No.1人気だ。

西表島は現在も島の90%がジャングルに覆われ、もはや日本のイメージからはかけ離れたアドベンチャーワールド。しかしそんなワイルドな島の雰囲気とは裏腹に、ここ最近観光客が増えるにつれ環境破壊が問題に。ノコギリガザミも島の名物になったため、乱獲されその数を減らしているという残念な話もある。おいしい郷土料理が食べられなくなっては旅の楽しみも半減。私たち観光客も1杯のガザミそばから貴重な食文化を残していく大切さを考えねば! パイヌマヤリゾートのみなさん、みーはいゆー!(八重山の言葉でありがとう)

Recipe

ノコギリガザミは貴重品でめったに手に入らないので、今回は体も温まる冬にぴったりのカニ汁レシピをご紹介します。

カニ汁(4人分)

<材料>
  • ワタリガニ 2ハイ
  • 長ネギ 20cm
  • おろし生姜 1片分
  • ダシ汁 適量
  • みそ  適量
<作りかた>
  1. カニは半分に切り、ダシ汁を沸かした鍋に入れて煮込む。
  2. 灰汁を取りつつ10分程度煮る。
  3. おろし生姜を加え一煮立ちさせて火を止め、みそを溶き入れる。
  4. 味をみて問題なければ、器によそいネギをたっぷり入れていただきます。
Information

レストラン サミン(ネイチャーホテルパイヌマヤリゾート内) ジャングルに囲まれた露天風呂は日本でここだけ! 日本最南端の西表島温泉、夜は満天の星空が見られます。
【ガザミそばが食べられるお店】
レストラン サミン
(ネイチャーホテルパイヌマヤリゾート内)
〒907-1431 沖縄県八重山郡竹富町高那243
TEL:0980-85-5700 FAX:0980-85-5099
イリオモテドットコム
アクセス:西表島大原港からバスで約30分、上原港からバスで約20分
日本最南端の西表島温泉に併設されたホテルパイヌマヤリゾート内のレストラン。ガザミそばの他、西表そば、ゴーヤチャンプルーなど八重山の味が楽しめる。

清 絢 清 絢(きよし あや)
郷土料理研究家・編集者。各地の郷土料理を食べ歩き、家庭の食卓にも取り入れやすい郷土料理レシピを日々研究中。

郷土料理研究・清風堂
http://shikumi.jp/seifudo/index.html

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