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アメリカNo.1! ケイジャン料理の魅力「シーフード・ガンボ」
シーフード・ガンボはカップサイズ¥500! 右奥はニューオリンズの名物カクテル"ハリケーン・パンチ"!
アメリカNo.1! ケイジャン料理の魅力「シーフード・ガンボ」
【 2008/04/03 】

「人種のるつぼ」と呼ばれるだけあって、広い広いアメリカには世界各国からの移民や先住民など多くの異なる文化を持つ人々が住んでいます。もちろん食文化も、それはそれは多種多様で個性的! 様々な民族や人種が、母国の料理に新天地アメリカならではのアレンジを加え作り出したご馳走の数々は、どれも極上のミクスチャー料理。今回ご紹介するのは中でもとりわけおいしいと評判のケイジャン料理! そのふるさとはアメリカ南部の都市ニューオリンズを中心とするルイジアナ州。豊かな自然とめくるめく歴史に培われた食をご賞味あれ!



昔はフランスやスペインの植民地でもあったルイジアナは、アメリカの中でも独特の文化を築いてきた地域。
昔はフランスやスペインの植民地でもあったルイジアナは、アメリカの中でも独特の文化を築いてきた地域。
「ケイジャン料理とは何ぞや?」ということでまずは料理の成り立ちから。ケイジャン料理のそもそもの担い手は、ヨーロッパから移住してきたフランス人の子孫たち。15世紀にヨーロッパ大陸を離れ、最初カナダ南東部のアケイディア地方に移り住んでいたフランス人でしたが、彼らはさらなる新天地を求め北アメリカを南下。そして、1785年にようやく現在のアメリカ南部ルイジアナ(入植当時はフランス領で、ルイジアナの名はルイ14世にちなんでつけられた。)に定住することになったのです。その後、「アケイディアン」がなまり、フランス系住民を「ケイジャン」と呼ぶようになります。彼らが持ち込んだフランス料理を土台に、ルイジアナの食材、黒人の食文化などがミックスされて、現在のケイジャン料理が誕生したというワケ。

店内の壁にはニューオリンズらしいポスターやTシャツが飾られていて、ちょっとした旅気分が味わえます!
店内の壁にはニューオリンズらしいポスターやTシャツが飾られていて、ちょっとした旅気分が味わえます!
日本ではまだまだ馴染みの薄いケイジャン料理ですが、幸い都内にはケイジャン料理を銘打つお店がちらほら。今回は下北沢の路地にあるビッグチーフに白羽の矢を立てたのであります。お目当ては代表的なケイジャン料理「シーフード・ガンボ」。エビやカニなど魚介類のスープにオクラをたっぷり加えてとろみを出した料理で、ごはんにかけて食べるのが一般的とか。

初めて食したガンボには正直ドキッとさせられた。なめらかなとろみのスープは魚介のダシがきいたあっさり味で、お茶漬けをかき込むようにサラサラガガガッといけるほど食べやすい! オクラのとろみは片栗粉のそれとは全然違っていて、ガンボの男らしい見た目とは裏腹にとっても無垢で上品。「大ざっぱなイメージのアメリカ料理とはなにかが違うような...これが美食の国フランスの成せる技か...。」などと感心しながら食は進む。ちなみに、ごはんには香りのよいインディカ米を使用していて、歯切れのよい口あたりがガンボにピッタリ! 日本のスープカレーを彷彿とさせるスタイルもあってか、やけに親近感が湧いちゃいました!(カレーの味は全然しないけどね。)

ナマズ(キャットフィッシュ)のポーボーイ。沼地の多いルイジアナではナマズやザリガニ、ワニも大事な食材!
ナマズ(キャットフィッシュ)のポーボーイ。沼地の多いルイジアナではナマズやザリガニ、ワニも大事な食材!
シーフード・ガンボの誕生には、おもしろいエピソードがある。ケイジャンたちがメキシコ湾のエビやカニ、ミシシッピ川のザリガニなどルイジアナの食材でブイヤベースを作ろうと試行錯誤していたところ、黒人たちが持ち込んだアフリカ原産のオクラを入れてみたらとろみがついてさらにおいしくなった! というもの。「ガンボ」とは西アフリカの言葉で「オクラ」のことだから、なかなか信憑性のある話なのかもしれない。フランス、アフリカ、ルイジアナの食がミックスされて生まれたガンボは、今では「南部のおふくろの味」と言われるくらいポピュラーに。どこの家庭にも「うちの作りかた」と「うちの味」があって、人が集まると「あーだこーだ」とガンボ談義に花が咲くらしい。なんだか一皿のシーフード・ガンボの向こうに、どんな土地でも生き抜く人間の強さを見たような気がしました。

Recipe

シーフード・ガンボ(6皿分)

<材料>
*ルー
  • 小麦粉  70cc
  • サラダ油 70cc
*野菜類
  • タマネギ 1個(みじん切り)
  • ピーマン 2個(みじん切り)
  • セロリ  1本(みじん切り)
  • オクラ  300g(ざく切り)
  • ニンニク 2片(すりおろす)
*魚介類
  • エビ・ホタテ・カキなどお好みで400g
*その他
  • バター    50g
  • 鶏ガラスープ 600cc
  • ローリエ   2枚
  • 粉トウガラシ 小さじ1
  • オールスパイス小さじ1/4
  • 塩・コショウ 適量
  • レモン汁   適量
  • ごはん    適量
<作りかた>
  1. まずはルーを作る。鍋にサラダ油を入れて弱火にかけ、小麦粉を加え、じっくりキツネ色になるまで炒める。焦がさないように注意!
  2. 1のルーができたら、その鍋に少しずつタマネギを加え炒めていく。全体をよくかき混ぜて、ダマができないように丁寧に。
  3. 2がしんなりしてキツネ色になったら火を止め、しばらく冷ましておく。
  4. フライパンにバターを熱し、オクラの半量とピーマン、セロリ、ニンニクを炒める。
  5. 4をルーの鍋に入れ、さらに鶏ガラスープを少しずつ加えてよくかき混ぜる。
  6. 5を火にかけ、シーフードの半量、ローリエ、粉トウガラシ、オールスパイスを加えて弱火で30分ほど煮込む。
  7. 最後に残りのオクラ、シーフードを加えて10分ほど煮る。
  8. 仕上げに味をみて、足りなければ塩・コショウ、レモン汁で調味して完成!

ガンボはごはんにかけるのが一般的ですが、パンを浸して食べたり、そのままスープとして食べてもおいしいです。タバスコ(実はルイジアナが発祥!)などのホットソースもよく合うのでお好みで加えてみて!
Information

ケイジャン料理とガンボの店 ビッグ チーフ Big Chief
ケイジャン料理とガンボの店 ビッグ チーフ Big Chief
〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-21-5 ユーワハイツ1F
(小田急線・京王井の頭線 下北沢駅北口から徒歩5分)
TEL:03-3465-5727
営業時間:18:00〜26:00(金・土・祝前日〜28:00)
定休日:毎週水曜日
URL:http://bigchief.under.jp/

キャッシュ&デリバリーで気軽にケイジャン料理が楽しめるお店。ジャズ発祥の地でもあるニューオリンズの雰囲気をそのまま持ってきたようなジャジーな店内は、楽しくおしゃべりしながらお酒を飲むのにピッタリ! ガンボ、ホットドッグ、チコリカフェオレ、コーンブレッド、ハリケーン・パンチなどニューオリンズの名物が味わえる。ナマズやワニ、ザリガニ(夏期のみ)を使った珍しい料理もあるので挑戦してみては。

清 絢 清 絢(きよし あや)
郷土料理研究家・編集者。各地の郷土料理を食べ歩き、家庭の食卓にも取り入れやすい郷土料理レシピを日々研究中。

郷土料理研究・清風堂
http://shikumi.jp/seifudo/index.html

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